日本の6月の誕生石は、真珠・ムーンストーン・アレキサンドライトの3つ。それぞれが独特な魅力を持ち、全く違うテイストの宝石が揃っているので、選ぶ楽しさも味わうことができます。そんな6月の誕生石について紹介します。
もともと日本の6月の誕生石といえば真珠とムーンストーンの2つでしたが、2021年12月に全国宝石卸商協同組合より改訂が発表され、新たにアレキサンドライトが加わりました。3つの誕生石の特徴や由来を見ていきましょう。
6月の誕生石の成り立ち
誕生石とは、1912年にアメリカの宝石商組合(現在のジュエラーズ・オブ・アメリカ)が選定して定めたものをベースに、1952年にアメリカ宝石小売商組合など複数の団体によって制定されたもの。国によって違いがあり、例えばもともとアメリカで定められていた6月の誕生石は、真珠・ムーンストーン・アレキサンドライトの3つでしたが、日本では真珠・ムーンストーンのみが6月の誕生石とされていました。2021年12月に日本で誕生石の改定が行われた際、アメリカの誕生石に合わせる形でアレキサンドライトが加わり、日本の6月の誕生石も3つとなりました。
アレキサンドライト
アレキサンドライトは、光によって色が変わる変色効果という特徴をもつ希少な宝石。昼の太陽光や蛍光灯のもとでは青みがかった緑色、夜のキャンドルやランプのもとでは紫がかった赤色に変化する二面性を持ち、その特徴から「昼のエメラルド・夜のルビー」と呼ばれることも。2021年12月、日本の新誕生石として6月の誕生石に追加されました。
▼アレキサンドライトの詳細はこちらの記事を参照
https://l-co.jp/magazine-alexandrite/
ムーンストーン
石自体は無色でありながら、光の当たり方によって白や青の神秘的な輝きを見せるムーンストーン。その輝きが月の光のようであることから、和名では「月長石(げっちょうせき)」と呼ばれています。ほのかに青白く輝く「シラー効果」、宝石の内部で反射された光が線となり、まるで猫の目のように見える「キャッツアイ効果」が現れるのが特徴です。
▼ムーンストーンの詳細はこちらの記事を参照
https://l-co.jp/magazine-moonstone1/
真珠
ほとんどが天然鉱物である宝石とは違い、真珠は海や川、湖に棲む二枚貝から採れる珍しい宝石。美しい独特な白い光沢により「月のしずく」や「人魚の涙」と呼ばれ、古くから高貴な人の間で珍重されてきました。母貝や産地によってさまざまな色に変化し、ホワイト、イエロー、クリーム色、ブルー、グレー、グリーン、ピンクといったバリエーションがあるのが特徴です。
▼真珠の詳細はこちらの記事を参照
https://l-co.jp/magazine-pearl6/
【6月の誕生石】光源の変化で色が変わる、魅惑のアレキサンドライト
19世紀に初めて発見されて以来、非常に希少で価値のある宝石とされ、貴族や王族に愛されてきたというアレキサンドライト。その魅力は、エメラルドやルビーにも似た2つの輝きを放つ変色効果。その特徴について紹介します。
6月の誕生石アレキサンドライトの特長とは
アレキサンドライトは変色効果を持つクリソベリル。ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドに続き世界5大宝石に数えられているほどに価値の高いレアストーンです。その最大の特徴は、光源の種類によりカラーチェンジを起こす変色効果。アレキサンドライトは、含有するクロムイオンによって太陽光など寒色系の光に照らされることで青緑色に、ろうそくや発熱電灯など暖色系の光の下では赤や紫に色を変化させます。この性質から、「昼のエメラルド・夜のルビー」と呼ばれることもあるこの宝石は、希少価値も価格も非常に高い鉱物です。アレキサンドライトの産出量は年々減っており、特に良質なものは少なくなっています。今後も稀少価値は高まり、価格も高騰することは必須と言われています。
アレキサンドライトの歴史や言い伝えとは
アレキサンドライトは1830年にロシアにあるウラル山脈のエメラルド鉱山で発見され、当時の皇帝に献上された宝石として知られています。発見された日が皇太子アレキサンドル2世の16歳の誕生日だったことから、未来の皇帝を記念する意味でこの名がつけられたと言われています。初めて発見された時から価値のある宝石とされ、貴族や王族に愛されてきたというアレキサンドライト。特にロシアでは緑と赤の2色の輝きがロシアの軍服の色と同じ組合せだったことから非常に珍重され、お守りとして身につけられていたという言い伝えもあるそうです。また、アレキサンドライトはその変色効果という特徴から二面性がある石とされ、「双子座の守護石」とも呼ばれています。双子座は5〜6月の星座なので、アレキサンドライトが6月の誕生石に選ばれたのはここからきているのかもしれません。
アレキサンドライトの石言葉、石の持つパワーとは
石言葉は、秘めた思い・高貴・情熱・誕生・光栄・出発
アキレサンドライトは、周囲に流されずありのままの自分を貫く強さを持ちながらも、愛情をもって周囲とのコミュニケーションを良好に保つ柔軟さをもたらしてくれる宝石と言われています。持ち主の内面の成長を促し、自立心や自尊心といった精神的成長を促してくれるとも。また、二面性を持つその性質から、内に秘めた個性を引き出し、創造力を発揮させてくれるとも言われており、クリエイティブな発想力を高めたい人や、専門性の高い仕事をするときに身につけるとよいとされています。仕事やスポーツなど、コミュニケーション能力や判断力などが求められる時に身につければ、うまくチーム力を発揮するそう。「成功やチャンスを掴む贈り物」として、大切な人にプレゼントする人も多いようです。
【6月の誕生石】月のように青白く幻想的な輝きを放つムーンストーン
月の力を秘めた石として世界中から愛されてきたムーンストーン。乳白色に月の光のような青みがかった輝きが現れる神秘的なこの石は、古来より人々の心を優しく癒してきました。パワーストーンとしても人気なムーンストーンの魅力とは?
ムーンストーンの特長
ムーンストーンは鉱物の中で長石に分類され、和名では「月長石(げっちょうせき)」と呼ばれています。石表面が光の加減で白や青に輝き、その幻想的な輝きが月の光をイメージさせることから、ギリシャ語で月を意味する「セレニテス」を語源として命名されました。この名がつけられました。さまざまな色合いを持ち、乳白色、灰色、淡い緑、青などがあります。最大の特徴は、「シラー効果」と呼ばれる乳白色の石の曲面に現れる青白い光の反射。ムーンストーンはこの現象を最大限に活かすため多面体のカットを施さず、丸みを帯びたカボションカットが施されることが一般的です。その他、まるで猫の目を連想させるような線が現れる「キャッツアイ効果」が見られるものも。光や見る角度によって独自の神秘的な輝きを見せることから、ムーンストーンはジュエリーとしても人気の高い宝石です。
ムーンストーンの歴史や言い伝えとは
ムーンストーンは月の満ち欠けによって色や大きさが違って見えると言われていたほど、月と深い関係性があると考えられていた宝石です。古代ローマにおいては、ムーンストーンのかけらを覗くと月の女神であるダイアナの姿が見えるという伝説もあったそう。月は女性性を象徴するものであることから、ムーンストーンも女性を象徴する石として大切にされてきました。愛を呼ぶ石としても知られており、中世ヨーロッパでは恋人同士がムーンストーンを贈り合い、お互いの愛を深める風習もあったそう。また、ムーンストーンには月の光が封印されていると信じられていたため予知と透視の石とも言われ、古代インドでは「満月の夜にムーンストーンを口に含み神託を受け取った」という伝説や、古代ヨーロッパでは「恋人たちが満月の夜にムーンストーンを口に含んで未来を透視した」、中世には「寝る前にムーンストーンを見ることで、未来を予知できる」という言い伝えもあったそうです。
ムーンストーンの石言葉、石の持つパワーとは
石言葉は、健康・富・長寿・恋の予感・幸運・母性本能・純粋な恋など
ムーンストーンは月と関係の深い宝石と言われていることから、月のサイクルに影響されやすい女性の体の不調を整えてくれるとされています。また、身につけることで女性らしさを高めてくれるとも。ムーンストーンが持つ月のエネルギーは精神面にも影響を与えやすく、内省を促し、潜在意識に働きかけてくれると言われ、身につけることで自分の中に眠っている魅力や可能性を引き出す効果があるとされています。さらには思考を柔軟にし、感受性や直感力などを高める効果も。自分の進むべき進路に迷っているのであれば、これからの道筋を切り拓くサポートをしてくれるかもしれません。また、ムーンストーンは「恋人たちの石」ともいわれ、恋愛の成就や、幸福な家庭へと導く効果があるとされています。ムーンストーンを身につけることで、月のパワーが幸運や新しい縁を授けてくれるかもしれません。
【6月の誕生石】上品で優しさのある乳白色の美しい光沢をもつ真珠
純粋無垢な白にほんのり宿る虹色の艶めきが古くから高貴な人々を虜にしてきた真珠(パール)。冠婚葬祭のジュエリーとしてなじみが深く、まさにジューンブライドの6月の誕生石にふさわしい宝石です。その魅力をまとめてみました。
真珠の特長
真珠は貝の体内で生成される神秘的な宝石。その気品の高さや上品さから、紀元前3世紀ごろにはすでに宝石として世界中の高貴な人々から愛されていました。その美しい光沢から、「月のしずく」や「人魚の涙」とも呼ばれています。真珠は、そのサイズ、形、傷の有無、光沢や輝きを意味する“テリ”、真珠の層の厚さを意味する“巻き”、色から価値が決まりますが、それらは生成される母貝の種類により違いがあります。一般的な種類を以下に紹介します。
【アコヤ真珠】
三重県の伊勢志摩、愛媛県の宇和島など、日本近海に生息するアコヤ貝から採れる最も一般的な真珠。色はクリーム色系や日本人に好まれるピンクホワイト系です。真円の形状が多く、小ぶりでも美しい真珠が量産されることから、さまざまなジュエリーに用いられています。
【南洋白蝶真珠】
オーストラリアやインドネシア近海に生息する、白蝶貝から採れる真珠。色はホワイト系やゴールド、イエロー系と、ゴージャスで存在感があるものが多いです。真珠が採れる貝の中では最も大粒のものが採れることでも知られています。
【南洋黒蝶真珠】
赤道を中心にした温かい海域に生息している、黒蝶貝から採れる真珠。タヒチ近海で養殖されていることから、タヒチ真珠とも呼ばれています。黒蝶の名の通り黒系の真珠が多く、グリーンやブルー系といった色もあります。
【淡水パール】
中国の川や湖で主に養殖されている貝類から採れる真珠。色はホワイト、ピンク、オレンジ、パープルと、鮮やかな色合いが特徴です。大きさは小ぶりでオーバル形が多く、1つの貝から20~30個の真珠が採れるため比較的リーズナブルに流通しています。
真珠の歴史や言い伝えとは
真珠の歴史はとても古く、日本ではなんと縄文時代に縄文人によって加工されたと見られる淡水パールが出土しています。また、中国の「魏志倭人伝」には邪馬台国の卑弥呼の娘が、中国に大量のパールを送ったと記されているそう。海外では、紀元前3200年頃のエジプトで既に知られていると言われており、装飾品としてはもちろん、砕いたものが化粧品や漢方として使われていたようです。そのころから真珠は非常に高価なものとされており、クレオパトラがその贅と権力を相手に誇示するために、耳に着けていた大きなパールのイヤリングをお酢に溶かして飲んで見せたという伝説も残されています。
また、真珠には「悲しみを添える」という意味があるとされ、弔事の場で身につけることができる唯一の宝石。これは、イギリスのエリザベス女王が故人の死に対する悲しみを表すために、国葬の際に真珠を着用したことがきっかけだと言われています。
真珠の石言葉、石の持つパワーとは
石言葉は健康、長寿、富、純潔など
真珠は古来より薬としても珍重されてきました。そのことから身体の健康はもちろん、精神を安定させるヒーリング効果があるともいわれており、心身ともに健康でありたい人が身につけるとよいと言われています。また、母貝に守られながら育つ真珠は、母親から守護のパワーを与えられていると信じられてきました。そのことから、持ち主をトラブルやネガティブなエネルギーから遠ざけ、環境を整えてくれる宝石であるとも言われています。母貝の中で大切にされ成長していくことが妊娠出産になぞらえられ、安産のお守りとして身につける人も多いそう。他にも、継続と蓄積の力を宿すパールには持ち主の成長を促す効果もあると言われており、資格取得や受験のお守りとして身につけるのもおすすめ。潜在能力を引き出す効果もあり、特に女性の優しさや内面の美しさを高めてくれるとも言われています。
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6月の誕生石、アレキサンドライト、ムーンストーン、真珠について紹介しました。それぞれに全く異なる特徴がありながらも、共通して高貴な人たちから愛されてきた魅力を誇る魅惑的な3つの宝石。ぜひ身につけて毎日に華を添えてください。
■この記事のポイントのまとめ
6月の誕生石一覧
【6月の誕生石】光源の変化で色が変わる、魅惑のアレキサンドライト
【6月の誕生石】月のように青白く幻想的な輝きを放つムーンストーン
【6月の誕生石】上品で優しさのある乳白色の美しい光沢をもつ真珠