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オパール最大の魅力、「遊色効果(プレイオブカラー)」の秘密に迫る!

オパール最大の魅力、「遊色効果(プレイオブカラー)」の秘密に迫る!

見る角度によって色合いを変える「遊色効果」を持つ宝石、オパール。その独特な色ゆらめき、「遊色」はどうして起きるのでしょうか。その謎を解き明かしながら、オパールの持つ遊色の種類や価値の違いなどを紹介します。

360度どの角度から見ても異なる輝きが楽しめるオパール。虹色にきらめく神秘的な輝きで、世界で最も愛されている宝石のひとつとされています。まずはオパールそのものについて見ていきましょう。

幾重にも色が重なる神秘の宝石、オパール
Dmitrii / stock.adobe.com

オパールの語源

オパールという名前は、古代インドのサンスクリット語で「貴重な石」を表す「ウパラ」が語源であると言われており、それがギリシャ語で「色の変化を見る」という意味を持つ「オパリオス」、ラテン語の「オパルス」に変化し、「オパール」と呼ばれるようになったと言われています。これらの言葉を合わせると、「色の変化が見られる貴重な石」となり、オパールが古くからその幻想的な色で人々を魅了していたことがわかります。

オパールの特長

オパールは二酸化ケイ素 (SiO2) =シリカ球が、低温で水分を含みゆっくり固まってできる鉱物。同じ二酸化ケイ素が結晶化したものが水晶となります。オパールは原子配列が規則正しくない非晶質の宝石で厳密には純鉱物ですが、国際鉱物学連合により正式な鉱物として認められています。原石のほとんどは現在のオーストラリアがある場所に1500万年から3000万年前に形成されたものとされており、今も世界中のオパールの約95%がオーストラリアにある鉱山から採掘されています。

オパールの品質

オパールにはその構造の違いから遊色効果を持つ「プレシャス・オパール」と、不透明で遊色効果を持たない「コモン・オパール」の2種類があります。一般的にオパールとして認知が高いのは遊色を持つ「プレシャス・オパール」であり、その価値を決める指標として、主に以下の3つの要素があるそう。

・カラー (地色と遊色効果)
・パターン (遊色効果の配置)
・クラリティ ― (透明度とインクルージョン/内包物)

次から、そもそもなぜオパールには不思議な遊色が発生するのか、そしてオパールの価値を決める3つの要素について、詳しく調べていきましょう。

▼オパールの種類や石言葉はこちらもチェック
https://l-co.jp/magazine-opal4/

オパールの「遊色」はなぜ現れる?

オパールの特長と言えば、宝石の中で色が躍っているように見える「遊色効果(プレイオブカラー)」。この不思議な色の揺らめきは、なぜ現れるのでしょうか。その理由と、オパールの遊色のカラー、パターンについてまとめてみました。

オパールの「遊色」はなぜ現れる?
Indronath / stock.adobe.com

「遊色効果」が現れる理由

前段で紹介したとおり、オパールは二酸化ケイ素 (SiO2) =シリカ球と水分でできた鉱物。オパールに美しい遊色が現れるのは、内部でこのシリカ球が規律正しく並んでいることに起因とすると考えられています。均一に並んだシリカ球が光の回析格子を形成し、そこに当たった光が反射・分散を繰り返して「干渉光」として特定の波長の波を出し、これがさまざまな色となって現れるそう。「干渉光」とは、2つの光の波が重なり合った時に振り幅が足し合わされ、強め合ったり弱め合ったりする効果のことで、オパールの不思議な色の揺らめきはこの現象が生み出しています。

「遊色効果」の色の違い

オパールの遊色の違いはシリカ球の大きさによって変わります。直径の大きさごとにシリカ球格子から波長の違う干渉光が現れ、それが各色同時に出たり見る角度によって万華鏡のように複数の色となって出たりします。宝石業界では、この現象を「斑(ふ)が出る」と呼んでいます。シリカ球の直系が小さいものから、紫、青、緑、黄、オレンジ、赤の順で色が現れ、中でも赤は、直径が300㎚(ナノメートル=10億分の1ⅿ)以上の大きさにならなければ出ることがなく、その大きさになるにはより長い時間、安定した状態でオパールが成長する必要があることから、赤の遊色が最も希少価値が高いとされています。

オパールのカラー

オパールの「遊色効果」について説明しましたが、オパールにはその生成地や生成過程からそれぞれにベースとなる地色を持っており、その地色に遊色が加わることでひとつのオパールとして名前がつきます。その主な種類を紹介していきます。

ホワイトオパール

半透明の白~乳白色の地色に遊色が現れるもの。産出量・流通量ともに非常に多いことから、オパールと言えばこの色をイメージされるほど最もポピュラーなオパール

ブラックオパール

グレーからブラックで、反射光の下で黒色に見える地色に神秘的な遊色を見せるもの。オーストラリアでしか産出されず、最も希少性の高い高価値なオパール

ウォーターオパール

無色透明~乳白色の地色に鮮やかな遊色効果を見せるもの。透明度が高く、まるで水滴の中に虹を閉じ込めたような美しさが人気のオパール

ファイアオパール

赤、黄、オレンジなど暖色系の地色で、まるで燃え盛る炎のように情熱的な色を放つもの。透明~半透明で、遊色を示さないオパールも

ボルダーオパール

砂岩や茶色の鉄鉱石の母岩に付着しているオパールの層を母岩ごと研磨して宝石にしたもの。原石を磨く宝石と異なり、母岩が付いたままの珍しいオパール

「遊色効果」のパターン

オパールには、地色と遊色=「斑」の出方により、ホワイトオパールをはじめさまざまなカラーがあることがわかりました。さらにもうひとつ、オパールの遊色はパターンと呼ばれる輝き方の違いが加わることによって変化し、それによって色の出方が変わります。主な遊色のパターンを見ていきましょう。

フラッシュパターン

オパールを手に取って動かした時、ある特定の角度で広い範囲に明るい閃光を見せるパターン。明るく見えるそれ以外の角度では、まったく色が見えないのが特長です。

ローリングフラッシュ

フラッシュパターンの中で、発色の仕方が猫の目のように細く、オパールを動かした時に強烈な帯となってその動きについてくるような動きを見せるパターン。その帯がより細くシャープに、直線に近い形で表現されるものは「キャッツアイ」と呼ばれ、とても希少価値が高くなります。

ピンファイヤーパターン

点のように小さな斑点を見せるパターン。ピンの先で色を付けたような極小の斑で、これらが集まることで炎が広がったような明るさを見せます。斑の明るい、発色のバランスの良いものほど華やかな美しさを見せてくれます。

リボンパターン

遊色の色が帯状になり、リボンのように何本も石を横切っているパターン。それぞれの帯が異なった色になっているものほど希少価値が高く、非常に希少価値が高く、ブラックオパールの中でも特に高値で取引をされています

パレットパターン

パレットに絵の具を筆で塗ったような形で閃光が現れるパターン。さまざまな色がある程度のサイズでちりばめられており、とても美しい色合いを見せます。

チャイニーズライティングパターン

直線を描いた色がいろいろな方向に交差して現れるパターン。その様子が西洋の人たちにはエキゾチックな漢字のように見えたことからそう呼ばれるようになったと言われています。

ストローパターン

麦わらのような太い色の班が交差するように現れるパターン。さまざまな色合いの太目の斑が麦わらを重ね、交差させているように現れる表情のはっきりした美しいパターンです。

ハーレクインパターン

ハーレクインとは「まだら」という意味。長方形やひし形をした大きな斑点をはっきりと見せ、遊色のパターンがパッチワークのように繋がっているパターン。中世にピエロが着ていた服の模様が由来となっています。

これらのパターンがさまざまなカラーと組み合わさり、オパールのひとつとして同じもののない神秘的な輝きが生み出されます。その中でも、それぞれの色や遊色の種類により価値の高さも変わってくるそう。次から、より希少性の高い高価値なオパールの基準をチェックしていきましょう。

多彩な遊色が存在するオパールの価値をチェック

オパールの価値は、いかにはっきりと鮮やかな遊色が出ているかで決まります。価値指標であるカラー、パターン、クラリティ それぞれにおいてより希少性の高いオパールを紹介。見極める際の参考にしてみてください。

多彩な遊色が存在するオパールの価値をチェック
Caitlin / stock.adobe.com

カラー (地色と遊色効果)

オパールの地色の中で最も価値が高いものはブラックオパール。淡い色のオパールの場合遊色の輝きが拡散してしまうのに対し、ブラックオパールは黒がそれを吸収するため、鮮やかな虹色が引き立つことが評価の高い理由となります。宝石として採掘されているのがオーストラリアのライトニングリッヂのみであることもその希少性を高めています。

現れる遊色として価値が高いのは赤の斑が出ているものとなり、次にオレンジ、グリーン、ブルーの順で高い評価を得ると言われています。

パターン (遊色効果の配置)

最も希少性の高い遊色のパターンは、ハーレクイン。道化師の衣裳を思わせる鮮やかな赤、青、緑、その他の色合いの 2 色以上の角張った正方形とダイヤモンドの形の斑点によるモザイク状のパターンで、非常に鮮やかで多様な色を発色し、中でも赤の斑が見られるものは群を抜いて希少です。さまざまな種類のオパールにおいてハーレクインと呼ばれるものが市場に出回っていますが、本物のハーレクインはオーストラリアのライトニングリッジ産のブラックオパールのみ。今ではほとんど採掘されていないことから、コレクター熱を高める宝石のひとつです。

クラリティ(透明度とインクルージョン/内包物)

透明度とは、宝石を通過する光の量のこと。一般的な宝石の場合は透明度が高い=価値があるとされていますが、オパールにおいては地色によりその評価は変わります。ウォーターオパール、クリスタルオパールなどの透明なオパールは透明度が高い方が一般的に価値は高くなりますが、ブラックオパールなど特定の種類のオパールは不透明の方が高価値です。これは、はっきりとした遊色効果を見せるオパールが高価値であることに起因したもので、オパール独自の評価基準となります。インクルージョン/内包物についても、オパールにおいては内包物により遊色が強まる場合もあり、一概にNGではありません。ただし、内部にひび割れや亀裂があるものや、砂などが内包され、遊色に影響を及ぼす場合は価値が下がります。また、オパールの価値を下げるものとして重要なものは「ポッチ」。これは、オパールの色のない部分の表面に見られる遊色が現れない部分のこと。この面積が大きいとオパールとしての価値が下がってしまいます。

オパールの価値は以上のような基準で決まりますが、最も重要なことは「遊色の見え方」です。仮に「ポッチ」があったとしても、それがあることで全体として美しく見えていれば評価が上がります。このように、ひとつとして同じものがない宝石としての個性が、オパールが愛され続ける理由かもしれません。

オパールの幻想的な輝きを生み出す「遊色効果」について紹介しました。さまざまな色の組み合わせでひとつひとつ違った魅力を見せるオパールは10月の誕生石。ぜひ記事を参考に素敵なオパールを見つけてプレゼントにいかがでしょうか。

■この記事のポイントのまとめ 

幾重にも色が重なる神秘の宝石、オパール
オパールの「遊色」はなぜ現れる?
多彩な遊色が存在するオパールの価値をチェック

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