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金やプラチナは磁石についたら偽物?実はそうとは限らない、正しい地金の見分け方

金やプラチナは磁石についたら偽物?実はそうとは限らない、正しい地金の見分け方

世界的な金やプラチナの高騰に伴い、ジュエリーに対しても「本物を見極める目」の意識が高まっています。ですがサイトなどの情報から地金の真偽を確かめようとすると、時に謝った判定をしてしまうことも。正しい見極め方を紹介します。

ジュエリーに用いられる高品質な地金と言えば、主に金とプラチナ。まずはこのふたつの地金について、その特長や、本物と間違われるケースについてまとめてみました。

金とプラチナについての基礎知識
Destina / stock.adobe.com

金について①特長

地金の中でも高品質な素材の代表格として人気の高い金。純金は非常に柔らかいため、ジュエリーに用いられる金は強度を出し加工しやすくするため「割り金」と言われる銀や銅を混ぜたものが使われており、それらは本物の金として認められています。主な種類は以下。

18金(K18)

金が75%、割り金が25%の比率で構成されたもの。銀と銅が含まれています。他の金と比較して変色しにくいうえ耐久性も兼ね備えており、より錆びにくく傷もつきにくい優れものです。

14金(K14)

金が58.5%、割り金が41.5%の比率で構成されたもの。18金同様に銀と銅が含まれていますがパラジウムなどが含まれる場合もあります。

10金(K10)

金が41.6%、割り金が58.4%の比率で構成されたもの。より硬度があり傷付きにくいだけでなく、ホワイトゴールドやイエローゴールド、ピンクゴールドなどに加工されやすく色の種類も豊富。

金について②本物と間違われやすいもの

ニッケルや真鍮(しんちゅう)などに金をコーティングした素材で作られたジュエリーも市場には多く出回っていますが、これらには金としての価値はありません。見た目は金製品とほぼ同じでリーズナブルなので棲み分けがなされていれば問題はありませんが、時にわからないように金製品として販売されている時もあるので注意が必要です。それらの主な種類は以下。

ゴールドプレート(金メッキ)

ほかの金属の上にメッキとして金を貼り付けたもの。金の膜が薄く、衝撃や摩擦で剥がれてしまいやすいことが特徴です。表面は本物の金なので高級感があり、安価で作れるため金メッキ製品は数多く出回っています。

ゴールドフィールド(金張り)

真鍮など他の金属を芯として、総重量に対して5%の金を着圧する加工を施したもの。メッキよりも金部分のコーティング層が厚く、耐久性が高くなっており、金メッキ製品より高価で見た目も純金に近くなっています。

プラチナについて①特長

天然の白い輝きが特長のプラチナは、レアメタルと呼ばれる希少金属のひとつ。原産国が限られ、原鉱石1トンに対して3グラム程しか採れない貴重な貴金属です。金同様にプラチナも非常に柔らかいため、パラジウムやルテニウム、銅や金などの合金が施されています。純度は大きく分けてPt850、Pt900、Pt950、Pt1000。数字が大きいほど純度が高くなります。例えばPt900なら、プラチナ90%+いずれかの合金10%、ということを表しています。純度100%のプラチナは存在しないので、近年ではPt1000ではなく、Pt999という表記が一般的になっているそう。日本においては、Pt850以下のものはプラチナとしては認められていません。

プラチナについて②本物と間違われやすいもの

プラチナはその銀色の見た目からさまざまな種類の金属と間違われやすい地金。よく似ていることから誤解されやすい種類を紹介します。

ホワイトゴールド

プラチナの和名が「白金」であるため間違われることが多いホワイトゴールド。これは金に銀やパラジウムを配合したカラーゴールドの一種です。プラチナと比べて軽く、やや黄色味が強い、などの特長があります。

タングステン

プラチナとほぼ同様の銀白色の見た目、非常に硬くて重い性質から、専門家でも鑑定が難しいと言われている金属。悪質な偽物として出回る商品に用いられていることが多いと言われています。

シルバー

プラチナよりも明るい白色に輝き、硬度が低く、変色しやすいことが特長のシルバー。ジュエリー製品として最もポピュラーで価格もリーズナブルなので、判別はしやすい金属です。

ステンレス

プラチナとよく似た色を持ち、硬度が高く錆びにくいことが特長のステンレス。アレルギーが起きにくくリーズナブルであることから人気の金属ですが、人工物であり、貴金属としての価値はありません。

本物?偽物?地金の見極め方

前述のとおり、金やプラチナにはそれぞれ特徴が似通っていて間違われやすい金属も多く、それらを悪用した偽物が出回っていることも。一般的な地金の真偽の見分け方と、その際の注意点をまとめてみたのでぜひ参考に

本物?偽物?地金の見極め方
Dontree/ stock.adobe.com

本物の金の見分け方

①刻印を確認する

金製品には、K18、K14など金の純度を表す刻印が施されています。リングなら内側、ネックレスなら留め具付近に刻印があることが多いので、まずはこの有無を確認しましょう。金メッキ製品の刻印は「GP(ゴールドプレート)」、金張り製品の刻印は「GF(ゴールドフィールド)」とされており、例えば「K18GP」という刻印は、「18金の金メッキが施されている」ということを表しているので見分けがつきます。

<注意点>
この刻印については嘘の表記がなされていることも。また、金の純度についても同様にごまかされていることもあり、専門業者以外の人が見極めるのは非常に難しいです。

②磁石をくっつける

地金の真偽を確かめる時に最も多く用いられる方法がこの磁石。純金は磁石にくっつかない特性があり、割り金に使用される銀やアルミニウムも同様なので、磁石につかなければ本物、つけば金メッキ製品などの偽物、という判断ができます。

<注意点>
偽物の中には、磁石にくっつかない銀や錫などの金属を選んで金メッキを施している場合もあるため、磁石につかないからといって本物とは限りません。逆に、本物の金製品の中にも割り金の種類によっては磁石にくっついてしまうことや、ネックレスなどは留め金のバネなどに金以外の金属が用いられていることもあり、それに磁石が反応するケースもあることから、磁石についたからといって一概に偽物だとも限りません。

③色味をチェックする

色味を観察することで、本物か偽物かをある程度推測できることも。純金は濃い黄色で、純度が下がるにつれて色味は少しずつ明るく、黄色っぽくなります。「K10」になると、含まれている銅の影響でやや鈍く暗い色味となるのが特長です。金メッキ製品は色味が薄いものや、経年劣化で傷がつくと内側の素材が見えていることも。アクセサリーを見て、一部だけ変色しているような場所があれば偽物である可能性が高いです。

<注意点>
地金の色は全く同じではないので、色だけで見極めるのは素人には難しいかもしれません。また、本物の金であってもアクセサリーが汚れてしまっているとくすんで見えることもあるので、一概に色味がおかしいから偽物とは言い切れません。

④表面を削ってみる

古くから金の真偽を確かめるのに用いられていた手法として、「試金石(しきんせき)」という黒い石で金属の表面を削ってみる方法があります。金メッキ製品は表面を薄く金でコーティングしているだけなので、少し削るだけで中の金属が現れるので一目瞭然です。

<注意点>
当然ですが、試金石で削れば製品に傷がつきます。また、その判別の仕方にも慣れが必要なため、専門知識がない人が試す方法としてはおすすめできません。

本物のプラチナの見極め方

①刻印を確認する

金同様、プラチナにもPt850、Pt900、Pt950などの刻印が成されています。まずはこの刻印を確認してみましょう。また、プラチナにもメッキ加工が施された商品もあり、それらには以下の刻印があるので注意してみてください。

PP(Platinum Plated)プラチナメッキ

PTP(Platinum Plated)プラチナメッキ

PTF(Platinum Filled)プラチナ張り

<注意点>
これも金同様、嘘の刻印が成されていることもあるので絶対に正しいとは言い切れません。ですが、プラチナは金と比較して偽物の流通は少なく、上記のメッキ製品も偽物というよりは加工品として販売されていることがほとんど。信頼性の高いジュエリーショップや貴金属専門の中古業者で偽物が売られているケースはあまりないようです。ただし、ネットオークションやリサイクルショップ、海外のショップなどでは警戒が必要です。

②磁石をくっつける

プラチナも金同様に磁石にはくっつかないので、もし磁石についたら偽物の可能性があります。

<注意点>
これも金同様ですが、偽物の中には磁石にくっつかない金属を選んでメッキを施している場合もあるため、磁石につかないからといって本物とは限りません。プラチナの偽物として最も判別のつきにくいタングステンも磁石にくっつかない特性を持つので、これだけで見極めるのは不可能です。また、やはりネックレスなどは留め金のバネなどに用いられている金属が磁石にくっつくこともあるので、磁石についた=偽物だとも限りません。

比重をチェックする

プラチナは同じ大きさの金属よりも比重が大きいため、水に沈め、水に対するプラチナの重さがどのくらいかを割り出すことで見極める方法もあります。この方法は、金も同様に行うことができます。手順は以下。

①キッチンスケールなどでプラチナの重さを量る(→重さを(A)とする)
②水がたっぷりと入ったコップやボウルをキッチンスケールに置き、ゼロ表記に戻す
③プラチナ製品を糸で吊るし、水に浸して重さを量る(→重さを(B)とする)
④「重さ(A)÷重さ(B)」を算出し、それぞれの非常が以下の範囲内であれば本物

<プラチナの比重一覧>

・PT1000 21.24~21.66
・PT950 19.84~20.85
・PT900 18.61~20.08
・PT850 17.53~19.38
・PT800 16.56~18.72
・PT750 15.70~18.10

<注意点>
家庭でも量りやコップなどを使用して調べることは可能ですが、手間がかかる上正確な数値を出すことは難しいためあまり現実的ではありません。簡単に比重をチェックするには比重計を利用するのが一番ですが、比重計は貴金属買取店などに常備されているので、比重でプラチナか否かを確かめたい時は査定を依頼したほうが確かです。

L&Co.の商品について

ジュエリー業界が最大の地場産業である山梨県において、長い歴史と業界の信頼を有する (株)ラッキー&カンパニーが展開するジュエリーブランド「L&Co.」。取り扱いの地金商品について紹介します。

(株)ラッキー&カンパニーとは

日本のジュエリーの1/3を生産する山梨県。中でも甲府市は、かつて北部に位置する金峰山の一体で水晶が多く産出され、水晶研磨・加工の技法が伝えられたことで宝飾産業が盛んで、「宝石のまち」としても広く知られています。そんな甲府市にある(株)ラッキー&カンパニーは、1937年の創業以来業界でも屈指の歴史と実績を誇り、国内外のお客様から愛されている老舗ブランド。ジュエリーの企画、デザイン、製造、 販売のすべての部分を備え、ジュエリー作りの全ての工程が社内で完結している数少ないジュエリーメーカーです。ジュエリーは、その一つひとつが熟練の職人によって妥協なく、丁寧に自社ファクトリーで仕上げられており、自社製作だからこそ叶う、高品質×リーズナブルな商品が取り揃っています。

L&Co.の地金商品について

(株)ラッキー&カンパニーが展開するブランドECサイトであるL&Co.。ここでは、確かな品質の金、プラナチ、シルバーなどの地金を用い、一つひとつの商品を丁寧に作作り上げています。全て自社内で製造されていることから、製造工程において地金の正統性については専門のスタッフが常に目を光らせ、偽物の地金を取り扱うことはありません。ただし、先述の地金の真偽の確認方法でも解説したとおり、L&Co.でもネックレスの留め金などには金やプラチナ以外の金属が用いられることもあり、磁石に反応してしまうこともあります。留め金やバネに他の金属が用いられることはごく一般的であり、ジュエリーの価値を下げるものではないので安心を。もちろん、不安がある場合は遠慮なく問合せを。

金やプラチナについて、その特長や真偽の見極め方について解説しました。サイトではさまざまな情報が見られますが、地金の真偽を見極めるのは専門業者に委ねるのが確実。自己判断で慌てずに、不安に感じたら問合せを。

■この記事のポイントのまとめ 

金とプラチナについての基礎知識
本物?偽物?地金の見極め方
L&Co.の商品について

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