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ふたつの色が現れる幻想的な輝き。バイカラーストーンの世界

ふたつの色が現れる幻想的な輝き。バイカラーストーンの世界

バイカラーストーンとは、ひとつの石にふたつの色がはっきりと境目で分かれて現れた天然石のこと。ひとつとして同じものがない、その特別感と華やかさで宝石コレクターからの人気も高い宝石です。そんなバイカラーストーンの魅力を紹介!

ブルーとピンク、青紫と赤紫など、ひとつの宝石に2種類のカラーを持つものをバイカラーストーンと呼びます。色の濃さや混ざり方など、その色合いがひとつひとつ違うことから唯一無二の宝石としても人気の宝石。その特長とは?

バイカラーストーンとは?
DiamondGalaxy / stock.adobe.com

バイカラーストーンの特長

バイカラーストーンは、自然界においてさまざまな生成過程、含まれている成分や年代によって偶然2種類の色がひとつの石に現れた天然石。はっきりと色の変化がわかるほど境目が分かれているものもあれば、グラデーションになっているものもあり、ひとつひとつ違う輝きを見せてくれる神秘的な宝石です。中には2色よりも多くの色が混ざり合うものもあり、3色は「トリカラー」、それ以上の複数色が混ざり合うものはまとめて「パーティカラー」と呼ばれています。

バイカラーストーンの生成プロセス

バイカラーストーンができる過程は石によってさまざま。色が2つ現れる原因は、鉱物の中に複数の微量元素が含まれていることで違う色が現れたり、その組成が環境の変化や時間の経過で相違を見せたりすることで複数の色が現れたりすることに起因すると言われていますが、生成プロセスの詳細はまだ解明されていないものも多く、科学的にもはっきりとはわかっていません。

バイカラーストーンの価値

バイカラーストーンはそれぞれの特殊な状況下でできるものであることが多いため、非常に希少価値の高い宝石。天然石に加熱処理を施すことで色合いを変化させているものは比較的リーズナブルに手に入れることができますが、自然の力で色づいたバイカラーストーンはコレクターの間でも人気が高く、なかなか市場にも出回らないこともあり、かなりの高値がつくものも少なくありません。

人気のバイカラーストーン

バイカラーストーンは、ひとつの宝石に何らかの変化がおきて2色のカラーを持つものになったもの。ベースとなる宝石の種類もさまざまです。ジュエリーとしても人気の高いバイカラーストーンを紹介!

人気のバイカラーストーン
vxnaghiyev / stock.adobe.com

トルマリン

バイカラーストーンとして最も有名なのがトルマリン。「ない色がない」と言われるほどたくさんの色の種類を持つトルマリンですが、結晶が生成される過程において、鉄、マンガン、チタニウム、クロム、バナジウム、銅などの異なる元素が時間差で含まれることでひとつの結晶に2つの色が現れると言われています。バイカラートルマリンとしてはピンク+淡いグリーン、ピンク+ブルーの組み合わせが人気。結晶が長いものが多いので、細長くカットしてバイカラーを際立たせたジュエリーに使われることが多い宝石です。この他に、中心部から赤+白+緑、または青の色相が環状に現れるまるでスイカのようなトリカラー―の「ウォーターメロントルマリン」も希少性が高く人気の宝石です。

アメシスト

バイカラーアメシストは「アメトリン」と呼ばれるアメシストとシトリンふたつの鉱物が混ざり合った宝石。シトリンはアメシストがマグマなどの天然熱により色彩変化したものですが、この変化の過程において何らかの理由で熱が加わらなくなり変化が止まると、半分アメシスト、半分シトリンのバイカラーを持つアメトリンが出来上がると言われています。天然のアメトリンはボリビアでしか採取されないため非常に希少ですが、天然のアメシストに加熱処理を施すことでアメトリンができることから、市場に出回っているアメトリンの多くは人為的に作られたもので比較的リーズナブルです。

サファイア

世界の四大宝石のひとつとして有名な宝石サファイア。深いブルー以外にもカラーバリエーションがあるサファイアですが、バイカラーサファイアも存在します。青+紫や、濃い青+淡い青などさまざまな種類があり、色の組み合わせやバランスなどが石によってまったく異なる雰囲気であることも魅力のひとつ。その生成プロセスについては全くわかっておらず、神秘的な宝石であることもコレクター人気を高めています。

フローライト

蛍石とも呼ばれ、ネオンカラーとパステルカラーの色合いを見せるフローライト。多彩なカラーバリエーションがあるこの石から生まれたバイカラーストーンは「レインボーフローライト」とも呼ばれており、淡い緑+紫、薄い水色+紫などの優しいカラーが人気です。ビーズやパワーストーンとして用いられることも多く、比較的リーズナブルに手に入る宝石です。

タンザナイト

タンザナイトは、鉱物の一種であるゾイサイトの変種。美しい青紫が特長です。1967年、タンザニアのメレラニ鉱山で発見されたまだ新しい宝石で、宝石商ティファニー・アンド・カンパニーがこの美しさを見出し、まるでタンザニアの夜のように美しい青紫色の空の色であることから「タンザナイト」とネーミングしたことで一躍有名になりました。バイカラータンザナイトは青青紫+グリーンが有名ですが、バナジウムが含まれると青、クロムが含まれると紫、とカラーが変わります。タンザナイト自体が最初に発見されたタンザニアの鉱山でしか採掘されないためダイヤモンド以上の希少価値があるとされ、バイカラータンザナイトも非常に高価な宝石です。

ふたつのカラーを持つ神秘的な宝石、バイカラーストーン。希少性はもちろん、自然界で生み出される、まるで奇跡のような色と輝きでジュエリーとしても人気の宝石です。世界にひとつ、自分だけの輝きを見つけてみてはいかがでしょうか。

■この記事のポイントのまとめ 

バイカラーストーンとは?
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