結婚指輪はプラチナが一般的であることから「ゴールドは後悔する?」と心配する人もいるのでは。ところが最近、ゴールドの結婚指輪を選ぶ人も増えているようです。ゴールドの結婚指輪の魅力と、後悔しないための選び方を紹介!
日本において結婚指輪の素材と言えば圧倒的にプラチナですが、海外ではゴールドが主流の国も多数。どちらを選んでもマナーとして問題はないのに、なぜ日本ではプラチナが選ばれるのでしょう。ゴールドとの違いと合わせてみていきましょう。
日本で結婚指輪にプラチナが選ばれる理由
プラチナは、レアメタルと呼ばれる希少金属のひとつ。原産国が限られ、原鉱石1トンに対して3グラム程しか採れない貴重な貴金属です。日本でプラチナが知られるようになったのは江戸時代末期のことで、プラチナジュエリーが輸入されるようになったのは明治時代になってから。当時人気だった銀のように白くて美しいプラチナは「白金(はっきん)」と呼ばれ、瞬く間に日本人の心を捉えたそう。
ブライダルとしての人気が高まったきっかけは、皇室の方々のご成婚。プラチナのティアラをつけておられる姿を見た当時の女性たちがその純白の輝きに強く憧れを抱くようになり、もともと花嫁衣裳=白無垢として「白」が花嫁にとって特別な色であったことから、プラチナをブライダルジュエリーとして身につけるようになったと言われています。
また、純白の輝きは美しくもありながら控えめで、品よく手元を華やかにしてくれます。その奥ゆかしさが日本人の精神性にマッチしたことも人気が高まった理由と言われています。
ゴールドはどんな素材?
その高品質さから、世代を問わず貴金属の素材として人気のゴールド。その上質な輝きは世界中で結婚指輪としても愛されており、最近ではイギリス王室の皇太子妃がゴールドの結婚指輪をつけていることからもその人気ぶりがわかります。ゴールドは変色や錆びに強いのが特徴で、最もポピュラーなK18(18金) は非常に変色しにくく耐久性もあり傷がつきにくい優れものです。K14(14金)や K10(10金) は合金の比率が高いため硬度が高く変形や傷には強いものの、場合によっては錆びることもあるので丁寧なお手入れが必要です。さらに一番の魅力はカラーバリエーション。K18は素材そのものの金色が濃く、K14やK10などの純度の低いものはライトな金色になるため、それを活かしてホワイトゴールドやイエローゴールド、ピンクゴールドに加工されることが多く、さまざまな色合いの種類から選ぶことができるのが人気の理由のひとつです。
プラチナとゴールド、どちらの素材を選ぶ?
結婚指輪の素材に求められるのはその美しさもさることながら、変質・変色・変形のしにくさ。プラチナもゴールドも似た性質を持ち、この条件はクリアしているので、純度の違いで多少の差はあるもののどちらを選んでも問題ありません。しかし細かく見ていくと多少の違いはあるようです。それぞれの項目について、プラチナとゴールドを比較してみました。
色味
プラチナは銀白色、ゴールドは一般的に割金(他の金属を混ぜて強度を出す)をしてジュエリーに加工されるため、その種類によって金色が変化します。純白の輝きを選ぶか、さまざまなトーンの金色から選べることを楽しむかはお好み次第
重さ
金属の重さは比重によって異なりますが、プラチナの方がゴールドよりも比重が大きいため重さが勝ります。しっかりとした重厚感があったほうがいいならプラチナ、指につけた時の軽やかさを重視するならゴールドがおすすめ
価格
これまではプラチナの方がその希少性から相場が高くなっていましたが、昨今の金の高騰により今は価格に差がなく、ものによってはゴールドの方が高値をつけることも。金融資産のひとつとして相場で選ぶのも選択肢のひとつ
劣化
経年劣化による変化が少ないのはプラチナ。ゴールドも基本的に変色はしにくい素材ですが、合金の比率やコーティングが摩耗することで色味が変化することも。変わらぬ輝きを選ぶか、年月を重ねた変化を魅力と捉えるかも好みで
いずれも善し悪しではなく好みによって選べるポイント。この他にも、プラチナとゴールドはいずれも宝石との相性がよいことも結婚指輪として選ばれる理由のひとつなので、ダイヤモンドや誕生石などのカラーストーンの色味や大きさに合うかどうか、という視点で素材を選ぶのもおすすめ!
結婚指輪をゴールドにするメリット
結婚指輪はゴールドでも問題がないことはわかりましたが、それでも「本当に後悔しない?」という不安を感じる人も多いよう。そんなふたりのために、結婚指輪にゴールドを選ぶメリットについて紹介していきます。
個性的なおしゃれが楽しめる
一般的にはまだまだプラチナの結婚指輪を選ぶ人の方が多い中、ゴールドの結婚指輪を選ぶことで人とは違った個性を出すことができます。ゴールドのファッションリングを思い浮かべると厚みの幅のあるデザインも多くカジュアルすぎるように思えるかもしれませんが、結婚指輪なら華奢でポイントにダイヤをあしらったデザインなども多く上質感もあり、さらに艶消しのデザインを選べば落ち着きあるスタイリッシュな雰囲気も醸し出すことができます。日常生活や職場ではもちろん、お祝い事やフォーマルな場でもファッションのアクセントとなりおしゃれに見せてくれるのも嬉しいポイント。
肌なじみがいい
ゴールドは、実は黄色味がかかった日本人の肌色にとても合う色。プラチナと比べて少し派手に感じることを不安に思う人もいるかもしれませんが、リング単体だと華やかに見えても、指につけてみると案外しっくりくるということが多いようです。年齢を重ねていくごとに少しずつ肌色がくすんでいっても、変わらないゴールドの華やかさがより肌になじんでいくことも。中でも光沢のあるイエローゴールドと優しいピンクゴールドは日本人の肌になじみやすいそう。
カラーバリエーションが豊富
ゴールドは、純度やコーティングによりカラーの種類がたくさんあることも魅力。肌の色はもちろん、普段のファッションやライフスタイルと合わせて選ぶことができるので、自分にぴったりの色味を見つけることができます。カラーの種類と特長をまとめてみました。
ピンクゴールド
ピンクがかった優しい色みが特長のピンクゴールドは、可愛らしい雰囲気で女性からの人気が高い色合いです。日本人に多いイエローベース、ブルーベースどちらの肌色にもなじみが良くさりげなく身につけられるので、どんなファッションにも組み合わせやすいのが魅力です。
ピンクゴールドは、金に銅を多く混ぜることでその色味を出しており、その配合は商品によって違うため、ピンクの濃淡はブランドによってさまざま。自分に合ったピンク色を探してみるのも楽しいかもしれません。
イエローゴールド
純金に近い、暖かみのある金色の輝きを放つイエローゴールド。まるで太陽のように明るいゴージャスな輝きが特長です。ピンクゴールド同様イエローベースの肌に加え、健康的な日焼けをした肌の人にも映えるので、男性にとっても身につけやすい色合いです。
イエローゴールドは、金に銀や銅を混ぜており、製法によってはプラチナと同等かそれ以上の硬度を誇ります。そのため、毎日身につけていても耐久性に優れているのも嬉しいポイント。変色してもあまり色味が変わらないので気になりません。
ブラックゴールド
グレーがかった深みのある銀色の色合いが特長のブラックゴールド。元のゴールドの上質さを保ちながらも派手さは控えめなその落ち着いた雰囲気が、特に男性からの人気を集めている色合いです。モノトーンファッションに良く似合うのでスーツと合わせて身につけてもなじみが良く、大人の魅力を醸し出してくれます。
ブラックゴールドは金にプラチナや銀、パラジウムといった価値の高い金属を混ぜて作られるため、他の合金素材と比較しても市場価値が高いのも特長。格調の高い独特な質感を楽しめます。
ホワイトゴールド
ホワイトゴールドは、ゴールドに白銀色の金属でコーティング加工をしてプラチナのようなカラーに仕上げたもの。色合いは似ていますが希少金属のプラチナと比べると価格面ではだいぶリーズナブルなので、素材をホワイトゴールドにし、その分の予算でダイヤモンドなど宝石をセットしたりデザインにこだわったりする人も多いようです。
ただし、ホワイトゴールドはコーティング加工をしていることが多いため、長く使っていると剥がれて地金が出てくることがあるので要注意。その場合、再びメッキ加工すれば輝きがよみがえるので、購入店に相談するのがおすすめです。
ゴールドは資産価値が高い
金属は、その時の相場によって価値が変動します。プラチナやゴールドなどは換金性の高い安全な資産としての価値が高く、特に昨今、金の高騰により資産価値が上がっていることから、ゴールドを持っている=安心という考え方ができるのも大きなメリット。もちろん結婚指輪は売り買いするためのものではありませんが、海外では出産祝いに「困ったときに役立ててほしい」という思いを込めて赤ちゃんに金貨を贈るという風習があり、日本でも赤ちゃんに「食べることに困らないように」と銀のスプーンを贈る人も多くいることから、お祝い事に金や銀の贈り物をすることは縁起物としてもあること。人生において何かあった時に支えになるようにという思いをこめてゴールドの結婚指輪を贈り合うことは、優しく、そして賢い選択なのかもしれません。
結婚指輪をゴールドにするデメリット
さまざまな魅力を持つゴールドですが、結婚指輪としてはいくつかのデメリットもあるようです。選ぶ際に気をつけるべきポイントをまとめてみたのでぜひ参考に。
弔事では身につけにくい
ゴールドの結婚指輪は華やかであることから、葬儀など弔事の場では外したほうがよい場合もあります。中でもイエローゴールドやピンクゴールドなどのカラーで艶あり仕上げのリングは細身でも思いのほか光って目立つこともあるのでつけて行かない方がベターです。ただし、艶消し仕上げを施したものやホワイトゴールドはあまり気にしなくても大丈夫。ゴールドだからNGということではなく、その輝きやデザインが華美に見えるものかどうかで判断を。
サイズやデザインによっては派手な印象に
ゴールドは、細身であればあまり目立つことなくさり気ない上質さを楽しめますが、サイズが大きめのものを選ぶと思った以上に派手になってしまうことも。普段使いなら問題はありませんが、オフィスにもつけて行きたいと考えているなら、カジュアルになり過ぎないサイズ感・デザインのリングを選ぶようにしましょう。
長く着用している変色する場合がある
ゴールド自体は変色しにくい金属ですが、含まれる合金の種類によっては経年で色が変化してしまう場合も。例えばピンクゴールドは一般的に金、銅、銀、パラジウムで構成されていますが、含まれている銅や銀が酸化することで変色してしまうことがあります。また、ホワイトゴールドは金に白銀色のロジウムでコーティング加工を施して白く仕上げたものですが、長く身につけているとコーティングがすり減り地の金色が見えてくることも。ただしこれらの色の変化は、ショップでクリーニングをしたりコーティングし直したりすることで美しい輝きを取り戻すことができるので、気になったら購入店に相談してみましょう。
結婚指輪をゴールドにして後悔しないために
ゴールドの結婚指輪について、メリット・デメリットを紹介しました。これらを踏まえて「やっぱりゴールドの結婚指輪にしたい」と思うふたりに、一生モノのアイテムとして本当に後悔しないためのポイントを紹介!
18Kの指輪を選ぶ
ゴールドは基本的に変色しにくく傷もつきにくい素材ですが、前述のとおり、合金が影響することで経年劣化を起こすことも。それが気掛かりなら、より変色しにくく耐久性もある18Kを選ぶのがおすすめ。18Kは、金が75%、割り金が25%の比率で構成されたもので、銀と銅が含まれていますが金の含有率が高いため他のゴールドと比較して酸化により色が変わりにくいうえ強度もあり傷もつきにくい優れものです。ゴールド比率が高いことから14Kや10Kと比べるとやや高単価ですが、品質も資産価値も高いことから結婚指輪に最もふさわしい素材です。
実際に試着して選ぶ
購入前に実際にリングを試着し、自分の肌色に馴染むか、デザインはしっくりくるかなどを確認しましょう。肌色については、自身のパーソナルカラーに合わせて肌なじみの良いカラーを選ぶのがおすすめ。例えば春と秋のカラーを持つ人は黄みよりのイエローベース。金色そのもののイエローゴールドや明るいピンクゴールド、シャンパンゴールドなどが似合います。一方、夏と冬は青みよりのブルーベース。ホワイトゴールドや優しいピンクゴールドなど柔らかいトーンの色がぴったりです。ショップで相談しながら、実際に肌とリングを見比べて長く身につけやすい肌なじみのよい指輪を選びましょう。手持ちのアクセサリーと合わせて見るのもおすすめ。
リングの太さ・デザインを吟味する
ゴールドはプラチナよりも存在感があるため、面積が大きくなるほど主張が強くなる恐れも。リングの太さや厚みなど、実際に試着して自分の指と普段のファッションにしっくりくるサイズ感のものを選ぶようにしましょう。また、デザインもあまり凝ったものにするとカジュアルに見えてしまいオフィス使いに合わなかったり年齢を重ねた時に合わなくなったりすることもあるので注意が必要です。デザインに迷ったら、婚約指輪と合わせてみて重ねづけがしやすいものを選ぶとさまざまなシーンでおしゃれを楽しむことができるので素敵。また、プラチナとのコンビリングにしたり、同じデザインで男性はブラックゴールド、女性はピンクゴールドと色を分けたりしてつけるのもおすすめです。
結婚指輪をゴールドにするメリット・デメリット、プラチナとの違いについて紹介しました。高品質で個性も出せるゴールドの結婚指輪には魅力がいっぱい!ポイントを押さえれば不安に思う必要は全くありません。ぜひ参考に指輪選びを。
■この記事のポイントのまとめ
結婚指輪、ゴールドとプラチナの違いとは?
結婚指輪をゴールドにするメリット
結婚指輪をゴールドにするデメリット
結婚指輪をゴールドにして後悔しないために