婚約する時、花嫁に贈られる婚約指輪ですが、さまざまな理由から「婚約指輪はいらないかも」「でもちょっと気になる」と迷う人も少なくないようです。実際みんなはどうしているのでしょうか?先輩カップルの声をまとめてみたのでぜひ参考に!
映画やテレビCMでよく見る、彼がリングの入ったケースを開け、「結婚して下さい!」というプロポーズのシーン。そのイメージから当たり前にもらうものだと思っている人も多い婚約指輪ですが、実際は本当に必要なものなのでしょうか?
そもそも婚約指輪とは?
まずはなぜプロポーズとともに婚約指輪を贈るのか、その歴史を紐解いていきましょう。
婚約指輪の歴史は、はるか古代ローマ時代まで遡ります。古代ローマでは結婚の約束を果たす誓いの証として、お互いに鉄の輪をはめる習慣があったそう。永遠に途切れない「円」=「リング」で「ふたりの絆を強める」という意味合いを持つものとして指輪が誓いの印になったと言われています。2世紀頃になるとその指輪は金で作られるようになり、15世紀頃になるとダイヤモンドを研磨する技術が考案され、高貴な人の間でダイヤモンドをあしらった婚約指輪を贈ることが習慣として定着しました。しかし一般庶民にこの慣習が普及したのは19世紀に入ってから。日本においては結納の時に贈られるものとして婚約指輪が一般化していきましたが、その慣習がスタンダードになったのは1960年代とつい最近のこと。プロポーズの時に婚約指輪を贈る習慣は、1970年代に放送されたたダイヤモンドリングのテレビCMがきっかけ。それを真似する若者が一気に増え、いつの間にかそれが一般的な風習として行われるようになって今に至っています。
婚約指輪は必要なもの?
結論から言うと、婚約指輪は結婚において必ずしも必要なものではありません。先述のとおり、婚約指輪の慣習が浸透したのはつい最近のこと。古代ローマから受け継がれた由来はあれども絶対な必要なものではないことが言えます。ですが日本には古くからの風習として結納の文化があり、新郎側から花嫁側に婚約記念品を贈り、花嫁側が新郎側に結納返しをすることが一般的でした。今では正式な形で結納を行う家庭は少なくなりましたが、その風習から婚約記念品として婚約指輪を贈る人は多く、必須ではありませんが記念の品としては重要なものであると考えられます。
ところが最近、「婚約指輪はいらない」という花嫁も少なくないそう。なぜいらないのか、理由を調べてみました。
「婚約指輪はいらない」という理由
結婚が決まった時に婚約記念品があった人は全体の72.5%。婚約記念品のほとんどが婚約指輪を含むことを考えると、約30%の人が婚約指輪をもらっていないことになります。その理由としては、以下が挙げられています。
①お金がもったいないから 40.4%
②普段身につけるものではないから 21.8%
③婚約指輪に意味を感じないから 19.3%
④婚約期間しか使えないから 17.2%
結婚式や新居への引っ越しなど何かと物入りなタイミングでもあることから、お金のことを気にして購入しなかったという声や、婚約指輪は普段身につけるものではないからという意見が多く見られました。
そのような声もありながら、実際に結婚が決まったばかりのタイミングで婚約指輪についてどう思っているかを聞いてみるとこんな意見も多いよう。
- 昔から憧れていた 3%
- 婚約の証としてつけていたい 0%
- 婚約指輪にお金をかけるのはもったいない 0%
- 高価なものをもらうのは申し訳ない 4%
かなり多くの人が婚約指輪に憧れを抱きつつも、お金のことについて相手を気遣う気持ちから「いらない」という人も多いよう。婚約指輪をもらわなかった人は、本当はどのように思っているのでしょうか。次から、後悔している人、していない人それぞれの想いを紹介していきます。
※出典:「ゼクシィ結婚トレンド調査2023(全国推計値)調べ
婚約指輪を買わずに「後悔していない」先輩カップルの声
「婚約指輪に意味を感じない」と強く思っている人にとっては、買わないという選択に後悔は全くないようです。どのような人が全く後悔をしないのでしょうか。後悔しないタイプの人が抱く婚約指輪への思いまとめてみました。
「指輪より他のことにお金を使いたい」
その時しか使わない婚約指輪よりも、結婚準備や旅行など思い出に残ることなどにお金を使いたいという人にとっては、日常的に使わなそうな婚約指輪にお金をかけず希望のものにお金をかけることができて後悔していない、という人も。
「普段指輪をつけないからいらない」
普段からアクセサリーを身につけない人や、仕事柄指輪がつけられない人などにとっては、婚約指輪がなくても全く気にならないよう。また、もらったとしても高価な指輪をなくしてしまったらという心配事がないのもよい、という声も。
「指輪以外の記念品がほしかった」
華やかな婚約指輪は日常的に身につける機会がなさそうだから、ネックレスや時計など違うものをもらったという人も。これなら記念の品としても手元に残るので、指輪がなくても後悔はないという人も多いようです。
「モノより思い出」、「指輪はつけない」と考える人にとっては、婚約指輪がなくても後悔はないようです。でも、さまざまなシーンや時間の経過で「あの時はそれでいいと思ったけれど…」と思う人も多いよう。次から、「婚約指輪を買わずに後悔した」という人の声も見ていきましょう。
婚約指輪を買わずに「後悔した」先輩カップルの声
結婚当初は「いらない」と思った婚約指輪。でもふとした瞬間に「やっぱりもらっておけばよかったかな」「贈ってあげたらよかったかな」と後悔することも。どんなことに後悔を感じているのでしょうか?
「本当は憧れていた」
高額な買い物でもあることから、彼に申し訳ないという気持ちもあって「いらない」と言ったものの、心の奥底では婚約指輪に憧れを抱いていたという女性は少なくないようです。男性側も同様に、「一生に一度の記念だから本当は贈りたかった」という気持ちを抱く人も。何年か経ち、お互いがふと口に出したことで「だったら買えばよかった…」と後悔したということも。
「羨ましくなった」
結婚式など特別な場所にお呼ばれした時にキラキラ輝く婚約指輪をつけている友人などを見ると、やっぱり羨ましいなと思ってしまう人も。SNSなどでプロポーズの瞬間や婚約指輪にまつわる幸せなストーリーを見かけることも多いことから、「自分たちにはこんな幸せな瞬間がなかったな」と寂しく思うことも。
「親や親族の反応」
結婚すると、親族が集まる場所に顔を出す機会も増えるもの。「婚約指輪は?」と聞かれたり、ないことに驚かれたりするたびに、少し肩身の狭い思いをすることも。お金のことが気になって購入しなかったわけではない場合でも、なんとなく気後れしてしまう…という人も。
「結婚指輪と重ねづけしたかった」
結婚当初は「指輪は結婚指輪だけで十分」と思ったけれど、何年も同じ指輪を身につけているとどんなにお気に入りでも飽きが生じるもの。そんな時、婚約指輪を結婚指輪と重ねづけしてアレンジを楽しんでいる人を見つけて「こんなことができたんだ!」と後悔する人も多いよう。
婚約指輪を買わない場合、結婚するタイミングではそれでいいと思っても、後からさまざまなシーンで後悔することがあるようです。「モノより思い出」と旅行にお金を掛けたいと婚約指輪を買わなかった人も、その時は満足するものの何年か経ち思い出も薄れてきたころ、婚約の記念になるものがないことを寂しく思うこともあるようです。結婚が決まったばかりの今は気づきにくいかもしれませんが、本当に後悔しないか、改めて考えて決めた方がいいかもしれません。
婚約指輪を買わずに後悔しないために
婚約指輪はなくても困りはしないもの。でも、「絶対にいらないもの」ではないなと思うなら、簡単に結論を出さずふたりでゆっくり話し合ってどうするかを決めるのがおすすめ。後から後悔しないためのポイントをチェック!
婚約指輪の意味を本音で話し合う
婚約指輪の意味や婚約指輪と結婚指輪の区別が付かないことで婚約指輪をいらないと思ってしまう人も多いようです。ふたりの人生において、婚約の記念として指輪があることで幸せを感じることは多くあることを胸に留めて、必要かどうかをゆっくり話し合ってみましょう。その時に大切なことは、必ず本音で話し合うこと。「本当はほしかった」「本当は贈りたかった」という気持ちを愛情からくる遠慮で隠していては、先々必ず後悔する時がきます。夫婦となるふたりの、最初の本音で向き合う機会として、婚約指輪を買うことに迷ったら相談してみることがおすすめです。
「お金がかかる」で判断しない
「婚約指輪は給料の3カ月分」。これはずいぶん前に流行したジュエリーブランドの広告ですが、いまだにその印象で「婚約指輪は高額なもの」と思っている人も多いのではないでしょうか。今の婚約指輪の平均購入額は38.2万円で、決して給料3ヶ月分ということはありません。もちろんそれでも決して安くはありませんが、価格帯としては20~30万円未満の人が最も多く、中には10万円未満の人も。それでも十分に素敵な指輪を選ぶことができるので、お金のことだけで判断しないようにしましょう。
一度見に行ってみる
婚約指輪を買うかどうかを迷っているのなら、一度ふたりでジュエリーショップやブランドのサイトを見に行ってみるのがおすすめ。実際に指輪を見ても何の興味も湧いてこないようなら買わなくても後悔しないかもしれませんが、もし憧れ感が湧いてくるようなら前向きに検討してみましょう。デザインや価格などふたりの理想に合った指輪を探しているうちにお互いの価値観も見えてきて、結婚後、何か大きな決断をする時の判断基準を知ることができるかもしれないというメリットも。何よりふたりでのショップ巡りは心躍る楽しい時間になり、これもまた婚約時期の素敵な思い出に。
婚約指輪をもらうタイミングを逃したなら
既に婚約指輪はいらないという選択をして数年、今まさに後悔している…という人は、改めて記念日ジュエリーとして婚約指輪をプレゼントしてもらうということも!結婚何年目かのアニバーサリーや誕生日など、思い出になるタイミングで指輪を贈ってもらうことで、再びプロポーズをしてもらったような幸せな気分に満たされるはず。結婚指輪と合わせて重ねづけできるデザインを選ぶなど、楽しみ方も今ならではのことができるはず。
さまざまな理由から婚約指輪の購入を迷う人は多いよう。いずれにしても、後から後悔することがないよう本音で相談してみるのがおすすめです。指輪は苦手…という人は、ぜひダイヤのネックレスなどを探してみてはいかがでしょうか。
■この記事のポイントのまとめ
婚約指輪はいる?いらない?
婚約指輪を買わずに「後悔した」先輩カップルの声
婚約指輪を買わずに「後悔していない」先輩カップルの声
婚約指輪を買う・買わないで後悔しないために