アメトリンは、紫色のアメジストと黄色のシトリンが見事なまでに半分半分に混ざり合った宝石。なぜこんな不思議な宝石が生まれたのか、それは地中の自然熱に理由がありました。もともとシトリンは、アメジストがマグマなどの天然の熱により色彩変化した宝石。アメジストがシトリンに変わるその過程において何らかの理由で熱が加わらなくなり、変化が途中で止まったことで2つの宝石がひとつになり、アメトリンとなった、というわけです。自然の力が生み出した奇跡なのですね。
天然のアメトリンはごく限定された条件下のみで生成され、非常に希少。ボリビアのジャングルのような場所にあるアナイ鉱山から産出されるもののみが本物と言われています。1970年代後半から採掘が始まり市場に出始めたものの、あまりにはっきりとふたつの石が混ざり合っていることからしばらくの間は合成石として扱われていました。その後、正式に天然石であることが認められ、1990年代にその名が広く知られるようになった極めて新しい天然石です。