ターコイズは、人類がかかわりを持った最も古い宝石のひとつ。なんと6000年以上も前から彫刻などの装飾品として愛されてきました。古代、エジプト人、ペルシャ人、モンゴル人、チベット人などがターコイズを珍重しており、中でも古代エジプト人はミイラとともにこの石を埋葬していました。1900年に王妃ゼルの墓が発掘された時、王妃の手首にはターコイズとゴールドのブレスレットがつけられていたそうで、これが世界最古のジュエリーではないかと言われています。ツタンカーメン王の仮面にもターコイズが使われていました。
「ターコイズブルー」という色の名前があるほどに美しいその色合いは、鮮やかな水色や濃い青、または黒い茶色の文様が入っているものもありとても独特です。「トルコ石」と呼ばれることもありますが、トルコで産出されているわけではありません。かつてトルコの商売人の部隊がヨーロッパにターコイズを持ち込んだ際に、トルコ産の石と間違われたというのが由来だそう。その商隊が旅のお守りとしてラクダにターコイズを付けていたことから、「旅のお守り」として世界中に広まったということです。日本はもちろん世界中で人気が高く、模造品やイミテーションも数多く出回っているため、本物を見極めるには知識が必要です。