鉱物の中で最も硬く傷つきにくいことから「永遠の輝き」を象徴する宝石であるダイヤモンド。実は思っている以上にさまざまな色や形があることをご存知でしたか?ダイヤモンドを深く知れば知るほど、その魅力を強く感じることになるはずです。
Contents
比較のポイント!ダイヤモンドのグレードは「4C」で決まる
「ダイヤモンド」とひと口に言っても、その価格は千差万別です。ではその基準は一体どこで決められているのでしょう?ここではダイヤモンドのグレードを決めるための指針である「4C」について、詳しく説明していきます。
重さや大きさを表す「カラット」
カラットは重さを示す単位で、1カラット(ct)は0.2gで、カラット数が大きいほどダイヤモンドの直径も大きくなります。そのためサイズの目安としても使われています。目安として0.2~0.4ctもあれば、存在感は十二分。リングでも主役を張れる大きさです。
透明度を表す「クラリティ」
「クラリティ」は、いかにそのダイヤモンドが透明であるかを示す指標です。具体的には「インクルージョン」と呼ばれる内包物と、「ブレミッシュ」と呼ばれる外部の傷や欠けの大きさ、場所、性質によって鑑定します。最も不純物が少ないトップグレードのダイヤモンドには「フローレス(FL)」という評価が与えられ、逆にクラリティが低い場合、耐久性に問題が発生することもあります。
色を評価する「カラー」
通常ダイヤモンドはわずかに黄色みを帯びていますが、化学的な組成が堅固であれば、その色は無色に近づいていきます。そのため色を評価する「カラー」の最高グレードは「無色」。以下、グレードが下がるごとに黄色みを増していきます。
「カット」でプロポーションの優劣を示す
ダイヤモンドがどのぐらい光を反射するかを測る指標が「カット」です。「プリンセス」「マーキーズ」など多彩なカットがありますが、評価対象は「ラウンドブリリアントカット」のみ。これに研磨の状態を評価する「ポリッシュ」、対称性を見る「シンメトリー」という指標とあわせ、最終的にプロポーションの優劣を判断します。
見た目の印象を変えるダイヤモンドのカットいろいろ
いわゆる立爪の一粒ダイヤから思い浮かべる「ラウンドブリリアントカット」以外にも、ダイヤモンドにはさまざまな形が存在します。ここではそんなバラエティ豊かなシェイプを持ったダイヤモンドについて見ていきましょう。
個性豊かな、ダイヤモンドの「ファンシーシェイプ」
先ほど「カット」の説明で「ラウンドブリリアントカット以外は評価対象にならない」と説明しましたが、あくまでそれは「4C」の基準に照らし合わせた場合でのこと。それ以外のカットは「ファンシーシェイプ」と呼ばれ、それぞれに異なる魅力を持っています。
繊細な愛される「プリンセスカット」
対象にカットされた面が非常に細く、繊細であることが特徴。モダンなルックスと気品あふれる輝きから近年人気です。カットの長さと幅の比率によって、正方形に見えたり、長方形に見えたりします。
透明感が魅力の「エメラルドカット」
横から見るとアウトラインが階段状に、上から見るとスクエアに近い形に見える形です。一番上は平らになっていて、その面を「テーブル」と呼びます。ダイヤモンドの透明感を最大限に生かしたカットです。
女性らしさのある「クッションカット」
その名の通り枕のようなふんわりとした、角の丸い四角形で、ピローカットとも呼ばれています。四角形のシャープな印象と女性的な柔らかさを併せ持ったファンシーカットです。
より大きく輝く「マーキスカット」
楕円に整えられたダイヤモンドの両端を鋭くとがらせた形をしています。粒をより大きく見せることができるカットで、その特性を活かし比較的小粒にダイヤモンドに使われることが多い手法です。
エレガントな「オーバルカット」
楕円形に仕上げたものを「オーバルカット」と呼びます。卵のような優美なラウンドが優しく上品な雰囲気を醸し出します。また、角がないため、ファンシーカットの中では最も割れにくい形と言えるでしょう。
指を美しく見せる「ペアシェイプカット」
ラウンドブリリアントカットとマーキスカットを組み合わせティアドロップ形にした「ペアシェイプカット」は息を呑むような美しい光を放ちます。またとがった側を爪に向けて身に付けると指を美しく長く見せる効果が生まれます。
愛らしさは随一の「ハートシェイプ」
ラウンドブリリアントカットの派生である「ハートシェイプ」は、文字通りハートの形をしています。細かい装飾無しでも強い存在感でコーディネートの主役となってくれます。
ピンク、レッド、ブルー…カラーダイヤってどんなもの?
無色透明であることが至高とされるダイヤモンド。しかしその一方、色鮮やかであることが良しとされるものもあります。それが「カラーダイヤモンド」。色によってその価値も異なり、一般的なカラーレスダイヤモンドとは異なる魅力にあふれています。
カラーダイヤモンドの評価基準は「彩度」
ダイヤモンドは通常、無色透明のカラーレスダイヤが一般的ですが、その一方で色のついたダイヤモンドを「カラーダイヤ」と言います。カラーレスダイヤの場合は、不純物がなく無色透明であるほど高評価ですが、カラーダイヤモンドの場合、その色が内包物や、結晶格子の歪みなどに起因し、その彩度が高ければ高いほど評価されます。天然のカラーダイヤモンドは、世界を見ても年間で微々たる数しか発掘されず、その価値は年々上がる一方です。
色のバリエーションは全部で12色
カラーダイヤモンドには天然のナチュラルダイヤモンドと、本物のダイヤモンドに人工的に着色をしたトリートメントダイヤモンドの2種類があります。天然のカラーダイヤモンドは、その希少性が最も高いものが「レッド」、次に「バイオレット」、以下「パープル」「グリーン」「オレンジ」「ピンク」「ブルー」「ブラウン」「イエロー」「グレイ」「ホワイト」「ブラック」の順とされ、この内ブラウン、ホワイト、グレー、ブラックを除く8色が、国際権威であるGIA(米国宝石協会)の評価対象となっています。
どこを重視する?ゆずれないポイントを明確にして選ぼう
ひと通り、ダイヤモンドを選ぶ指針がわかったところで「いざ購入しよう」となると、そこで再び立ち止まってしまう人も多いのでは。「自分にふさわしいダイヤモンド」を選ぶという最終的ゴールへたどり着くために、次はどんなポイントに気をつければよいのでしょうか。
まずは譲れない優先順位を決めよう
ダイヤモンドは前述の4Cに照らし合わせ、そのグレードが高ければ高いほど高価になります。しかし当然ですが予算には上限がありますから、通常は「すべてが最高グレード」というわけにはいきません。最も重きを置くポイントが輝きなのか、大きさなのか、形なのか。まずはプライオリティを明確にし、それに沿って選ぶことをおすすめします。またリングでいえば近年は、「大きな一粒ダイヤモンド」以外にも、小粒のダイヤをたくさん使用した「メレダイヤ」や「エタニティ」「パヴェ」といったように、デザインも多様化していて、それぞれ人気があります。事前に想定したデザインがなかなかしっくりこない場合は、間口を広げて検討するのも一案です。
信用できるショップに相談するのが近道
まずは信用できるショップを見つけましょう。使用する用途を伝えつつ、スタッフに相談してみるのもいいかもしれません。例えば日常使いするものであれば「悪目立ちしないようカラット数を押さえ、衣服にひっかからないフラットなデザインが向いている」というように、使用シーンに応じてベストなものを提案してくれるはず。また「最近人気のあるタイプ」を聞いてみるのもいいですね。事前リサーチでは見つけられなかった、素敵なダイヤモンドジュエリーに巡り会えるかもしれませんよ。
ダイヤモンドジュエリーは決して安い買い物ではありませんから、ぜひ後悔のない、自分にフィットしたものを選びたいものです。あれこれ悩む時間も楽しみながら、最高の1点を見つけてくださいね。
■この記事のポイントのまとめ
比較のポイント!ダイヤモンドのグレードは「4C」で決まる
見た目の印象を変えるダイヤモンドのカットいろいろ
ピンク、レッド、ブルー…カラーダイヤってどんなもの?
どこを重視する?ゆずれないポイントを明確にして選ぼう